昼食後、少し時間が空いたんでいつもの美容室に駆け込みました。
ここのオーナーは若いころからの友人で一緒にバンドをしてた仲でもあります。
カット前にシャンプーをしてもらってる時、いつもいるスタッフの男の子がいないのに気付きました。
「〇〇君は休み?」
そう聞くと、シャンプーしてくれている女の子が
「〇〇さんは2週間ほどニューヨークに行っています」
「へぇ、2週間も行けるなんていいねぇ」
と、ちゃかすと
「会社の方針で、今年は〇〇さんが行ってます。来年は□□さん、再来年は私です!」
「えっ! じゃあちゃんと会社公認で休んでもいいと?」
「はい!むしろオーナーが行ってこいとのことで!!」
カットしてもらっている間に本人に詳しく聞いてみると、
「僕も以前勤めていた時に、当時のオーナーに無理言って1週間休みをもらい、ニューヨークに
行ってきたんです。その時の経験を今のスタッフにもさせてやりたいんです。
ノープランですが、何かしら視野が広がりますんで。
一応、往復の航空券だけ会社持ちです。」
失礼ながら正直、大きな会社ではありません。
後輩のオーナーとスタッフ3名、計4人でやっている美容室です。
いつも忙しいのに2週間も休みをやって、尚且つ旅費も持ってやる。
僕はいつもどうりちゃかしました。
「さすが! 儲かっているお店は違いますね~!!」
すると
「いや、違うんですよ。むしろ先月はOPEN以来、一番売上げが悪かったんです。
けど、そんな時だからこそ、行かしてやればまた仕事で奮起してくれるんじゃないかと思って。
僕がそうだったですもん。」
何がすごいか。
おそらく彼のことだから、経営者向けの本や自己啓発みたいな本は読んでないと思います。
ただ自分の経験や社員さんのことだけを思い、単純にプレゼントとしてしているんです。
あえて売上のよくなかった時期に、しかも(かどうかは分からないけど)場所だけ指定したノープランの旅。
2週間が長いか短いか、そこから何を学び何を得るのか、そして今後の自分の人生にどう影響するのか。
すべては自分次第。
無論、その辺の大会社の社員旅行よりも俄然意味のあるすばらしい旅となるでしょう。
そんな彼の打算やその場しのぎでない熱い思いは、社員さんにもしっかり伝わっていましたし。
もう彼とは17年くらいの付き合いになりますが、初めて(少し失礼)彼を心から尊敬しました。
実は僕自身、年内には人を雇うという目標を立ててました。
しかし、「人を雇う」ということは大きな責任が伴うと思っています。
僕は、人徳もない・他人に対する思いやりも少ない・学もない・考えも浅い人間なので、
せめてこういういいお手本を参考にしながらでも、日々精進し彼のような経営者になりたいと心から思いました。
お店を出た後もしばらくそのことを考えながら歩いていると、
「中東もしくは中南米にいそうな、胡散臭い詐欺師のような髪型にお願いします」
と頼んだ自分が急に恥ずかしくなり、小走りで大名を後にした夏の午後でした・・・・
※本日のオススメSHOP・・・VendllMAN(美容室)
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